『サウンド・アートとは何か』出版記念トークイベント
『サウンド・アートとは何か』(ナカニシヤ出版、2023年12月)の著者で、横浜国立大学准教授の中川克志さんによるトークイベントを開催します。聞き手は和歌山県立近代美術館学芸員の奥村一郎さん。入場無料のイベントになりますので、お気軽にご参加ください。
※『サウンド・アートとは何か』は、本町文化堂にて発売中。当日もご購入いただけます。
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(中川克志さんによるご案内)
「サウンド・アート」と言われても何のことかあまり想像がつかないと思いますが、とりあえずは「変な音楽」あるいは「音の出る美術」です。例えばこれらです。
藤本由紀夫 REVOLUTION & GRAVITY (GRAVITY) 2021 – YouTube
Milan Knizak – “Broken Music Composition, 1979” – YouTube
The 40 Part Motet (A reworking of Spem in Alium by Thomas Tallis) an installation by Janet Cardiff – YouTube
「サウンド・アート」は音楽とも視覚美術とも言い切れないややこしい代物ですが、『サウンド・アートとは何か』という本は、そのややこしい代物を丁寧に説明した本です。
音や聴覚を意識した視覚芸術か、あるいは、音楽の枠組みを超えた音響芸術か――美術・音楽・メディア・空間の交錯点に迫る
音や聴覚にまつわる様々な作品が一見雑多に包摂される「サウンド・アート」という曖昧で魅力的な芸術の領域は、どのように成立したのか。視覚美術、音響芸術、音響再生産技術への注目、サウンド・インスタレーションという四つの文脈から、各系譜を丹念に辿り、徹底的に整理・解説する!
私はサウンド・アートとは何かと問われたときに、サウンド・アートは、広い意味で音や聴覚に関わるアートを意味するラベル、あるいはジャンル名である、と答えるようにしている。単なる音楽でも単なる視覚美術でもないが、音楽でも美術でもないまったくの別もの、というわけでもない。つまりサウンド・アートには厳密な定義はなく、個々の論者や作例によってその意味するところは異なる。とはいえ、サウンド・アートという言葉で参照される大まかな領域は存在する。本書が扱うのはその漠たる領域である。「はじめに」より
「サウンド・アートとは何か」を考えるためには、音楽や視覚美術について広い視野で考える必要があります。つまり、サウンド・アートについて考えると、視野が広くなります。ひいては、懐の深い堂々とした大人物になることでしょう。良いですね。
12月16日は、サウンド・アートとはどんなものかとかサウンド・アートのアクチュアリティとかについてお話できれば良いなと思っています。
色々な作品を紹介すると著作権の扱いが色々ややこしいので、配信はナシです。なので、入場無料です。代わりに(?)、来場者限定配布小冊子を鋭意制作中です。
みなさま、どうぞお気軽においでください。
中川克志(なかがわかつし):横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院・准教授。サウンド・アートあるいはサウンド・スタディーズ研究者。https://sites.google.com/site/audibleculture/
欧米日やアジアにおける広く「サウンド・アート」と呼ばれるものを研究しています。(そもそもサウンド・アートはあまり大きくないジャンルだしサウンド・アート研究をしている日本人は少ないので、日本でサウンド・アートを研究している時点で)日本で5本の指に入るサウンド・アート研究者です。ポピュラー音楽や音響メディア論も研究しています。1975年生まれ。博士(文学)。和歌山出身。主な仕事は、中川克志『サウンド・アートとは何か』(ナカニシヤ出版、2023年)、中川克志ほか『音響メディア史』(ナカニシヤ出版、2015)など。共訳にジョナサン・スターン『聞こえくる過去:音響再生産の文化的起源』(インスクリプト、2015)など。最近の関心は、見ると音楽を感じるもの、です。
日時 ■ 12/16(月)19:00 START(21:00 終了予定)
場所 ■ 本町文化堂 2 階(和歌山市本町 3丁目 6)
料金 ■ 無料
問合せ・ご予約 ■ 下記申込フォーム、各SNSのDM、店頭、にて予約承ります。
TEL(073-488-4775)での受付は当店営業時間内に限ります。